古本食堂 原田ひ香著 ハルキ文庫

日本キリスト改革派 花見川教会のホームページへ戻る

古本食堂 原田ひ香著 ハルキ文庫

鷹島珊瑚」は両親を看取り、帯広でのんびり暮らしていたが、神田神保町で小さな古書店を営んでいた兄の慈郎が急逝。珊瑚がそのお店とビルを相続することになり、単身上京する。一方珊瑚の親戚で国文科の大学院生の美希喜(みきき)は、生前の慈郎の元に通っていたことから、素人の珊瑚の手伝いをすることになる。各編ごとに古本の良書が取り持つ縁を感じる。舞台が古本外の神田であるが、古本だけでなく神田の古き良き美味しいものが随所に出てくる仕掛けになっている。

 さっと読んでいくと、主人公が珊瑚なのか美希喜(みきき)なのか分からなくなるがすぐに気が付く。客とのやりとりを通して人生訓が込められている。古本を通して、大切なことを教えてくれるし、また考えさせられる。亡くなった慈郎さんの周りを巡る人々との接し方に、一人の真摯な生き方から教えられる。また珊瑚さんや美希喜(みきき)さんの恋愛も織り交ざってくる。そして次郎さんの恋の経過も知り得ることになる。
 一冊の良書に出会ってから、人生観が変わったり、人生の生きざまを求め始めるということが起きている人たちのことが出てくるが、必ずしも創作の中のことではない。実際にある書との出会いにおいて人生が一変したり、価値観が変わったりすることであろう。主人公の一人、美希喜(みきき)ちゃんも就職を前に種々に悩みながら、本と格闘していく様子がよく分かる。それはまた読者の私たちに共感とヒントを与えてくれる。
 さて鷹島古書店の行く末はどのようになっていくのであろうか。乞う、ご期待である。

毎週日曜は礼拝の日

花見川教会では毎週日曜日、神様への感謝と祈りをささげる礼拝を開いています。この礼拝はキリスト教に興味のある方でしたら、どなたでも自由に参加できます。お仕事などで日曜日の都合がつかない方は、毎週水曜日に行われる祈祷会(きとうかい=お祈りの会)がおすすめです。

日曜礼拝
午前10時30分~11時45分
必要な持ち物は特にありません。聖書や讃美歌などは教会でお貸します。
水曜祈祷会
14時00分から15時00分
こちらも必要なものは特にありません。聖書について学び、皆で神様にお祈りを捧げます。